2020.8月号 図書館ニュース
赤ちゃんがやってくる! 充実した妊娠ライフのために
神戸市立新長田図書館 井原木 美弥佳
子育てのはじまりはじまり
子育てっていつからはじまるのでしょうか。赤ちゃんが誕生した瞬間からでしょうか。でも、生まれるずっと前からおなかの子のために辛いつわりに耐えたり、食べ物に気をつかったり、そして命がけの出産と、妊娠中も大切な子育ての時間だと思います。
今回はそんな子育てのはじまり「妊娠」をテーマにお話ししたいと思います。
おなかの中はどうなってるの?
自分の体の中で起こっていることなのに、妊娠は分からないことだらけ。妊婦健診の超音波検査で浮かび上がる姿を見たり、安定期に入ってからはおなかの中で動くのを感じたりするけれど、日々変わる体調にどうして?は尽きません。
『胎児のはなし』(最相葉月・増崎英明/著 ミシマ社)では「どうしてつわりがあるの?」や「赤ちゃんの頭はどうして下を向いてるの?」といった素朴な疑問から出生前診断や無痛分娩についても、産婦人科医の先生とノンフィクションライターの著者との会話形式で分かりやすく書かれています。
不安なときは、本で心に栄養補給
頭では分かっていてもやっぱり妊娠中の不安は尽きません。ストレスがよくないとは分かっていても、どうしたらいいか分からない…。そんなときにおすすめするのが『つるかめ助産院』(小川糸/著 集英社)です。
主人公の「まりあ」は突然失踪した夫を探して、かつて二人で訪れた南の島へと向かいます。そこで出会った「つるかめ先生」に新しい命を身ごもっていることを告げられ、戸惑いつつも島の助産院を手伝いながら過ごすことにします。
心温かい島の人々との暮らしの中で、徐々にまりあの心は開かれていきます。
主人公のまりあと同じように、読み進めるごとに物語に引き込まれ、妊娠中のしんどさも軽くしてくれるはずです。
つるかめ先生もこう言っています。「あなたは育む人なんだから、それだけでもう、立派に仕事をしているじゃない。妊娠中っていうのは、どんなにわがままを言っても構わないの。赤ちゃんってその場にいるだけでみんなを幸せな気持ちにするでしょう?その赤ちゃんを宿しているんだから、育む人も一緒。そこにいるだけで、空気がぽわーんとまあるくなるの。赤ちゃんと身一つでいられるなんて今しかないんだし、貴重な妊婦ライフをもっともっと楽しまなきゃ!」
図書館には今回紹介した本の他にも妊娠、子育てに関する本や赤ちゃんの名づけ事典、絵本もありますのでこれから生まれる赤ちゃんを思い浮かべながらぜひ手に取ってみてください。
また、新型コロナウイルスの影響で中止となっていた図書館行事が感染症対策をとった上で徐々に再開されています。
新長田図書館では0歳から参加できる読み聞かせの会などもあります。妊婦さんでも赤ちゃん連れでも図書館は大歓迎、心からお迎えしますので、ぜひ安心してお越しください。
神戸市立新長田図書館
- 開館時間:火~土 10:00~20:00、 日・祝 10:00~18:00
- 所在地:長田区細田町7-1-27 市営細田住宅2階