2022.6月号 図書館ニュース
入学や進級から2ヶ月ほどがたち、お子さんも保護者の皆様も新しい生活に慣れた頃ではないでしょうか。
家庭学習の一環で教科書をお子さんと一緒に読む機会も多いと思います。そこで、教科書を「図書館で借りる本」を選ぶ材料にしてみませんか?
こくごの教科書と図書館を
便利に活用する方法
このコラムでは神戸市で選定されている「光村図書」の小学1年生「こくご」の教科書をもとに、教科書と図書館を上手く使って、「学びを深める」ことと、「興味・関心の幅を広げる」ことについて書きます。
教科書に載っている本を図書館で
借りて読んでみる
国語の教科書に掲載されている本は、もちろん図書館で借りることができます。
お子さんと一緒に図書館に来た時に、「この本、教科書に載ってたよ」と紹介することもできます。(お子さんから「これ見たことある!」と言われることもあるかもしれません。)
お子さんの好きな本を10冊借りるのもいいですが、たまには大人から本をすすめてみてもいいと思います。大人からすすめない限り、その子と新たな本の出会いの機会はなかなかありません。
例えば『おはなし たのしいな』の単元では、「ぐりとぐら」(福音館書店)という王道の絵本、「一ねんせいに なったら」(ポプラ社)、「さくら」(福音館書店)といった本が紹介されています。
これも一例ですが、「ぐりとぐら」にはたくさんシリーズ本が存在します。「ぐりとぐらとくるりくら」、「ぐりとぐらのおきゃくさま」は読まれたでしょうか?どちらも心温まる絵本です。
また、絵本より文字の多い読み物にも、同じ作者(中川李枝子さん)の作品はたくさんあります。「いえいやえん」(福音館書店)、「たんたのたんけん」(学研)などなど……絵本で慣れ親しんだ文章なので、ぜひ、お子さんと一緒に読んでみてください。
お子さんの感性と大人の感性の違いにも関心を向けてみると、お互いに知らない一面を垣間見ることもあるかもしれません。
興味・関心の幅を広げるとは
スマートフォンやパソコンを使って、わからない単語を入力して検索するだけで、簡単に情報は手に入ります。
しかし、図書館を歩き回って「これ面白そう!」と手にとった本は、検索では出会えなかったかもしれない、情報やワクワク感を手に入れることができるのです。
自分が知らなかったことを探り当てた時の「へぇ~!」という面白がる気持ちが、好奇心に繋がり、1つの情報を元にした寄り道・回り道が子どもの世界を広げることに繋がるのではないでしょうか。
1つの単元からたくさんの本へアクセスできる、図書館を活用してお子さんの興味・関心の幅を広げてみませんか?
神戸市立新長田図書館
谷原 萌花