2021.6月号 図書館ニュース
お父さんもお母さんも一緒に絵本を楽しんで
神戸市立新長田図書館 末益 奈津子
コロナだからこそ
新型コロナウイルスの最初の緊急事態宣言から早くも1年以上が過ぎました。現在は変異型の感染拡大が収まらず、収束への道はまだまだ見えません。みなさまのご家庭でも、お家で過ごす時間が増えたのではないでしょうか。そんなときはぜひお子さんと一緒に絵本を読んでみることをおすすめします。
「絵本なんて、何を読んでいいかわからない」と思われたかもしれません。お父さんとお母さんが楽しい、面白いと思う絵本を読んでみてはいかがでしょう。読んでくれる人の気持ちが、聞いているお子さんには不思議と伝わります。お子さんとコミュニケーションを取るツールの1つとして、絵本を活用して頂ければと思います。
大人になっても残ります
私の母は、小さい頃からよく絵本の読み聞かせをしてくれていました。『白雪姫』のような外国のお話から日本の昔話まで、古くから親しまれている物語を寝る前に繰り返し読んでいました。言葉やストーリーにとどまらず、影絵作家の藤城清治さんや、イラストレーターの黒井健さんも絵本を通じて知りました。特に『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治:原作 藤城清治:影絵と文 講談社)と『水仙月の四日』(宮沢賢治:作 黒井健:絵 ミキハウス)は、今でもよく読み返します。
福音館書店より出版されている『月刊科学絵本「かがくのとも」の50年 かがくのとものもと』には、1969年から2019年に発行された『かがくのとも』の内容がぎゅっと1冊にまとめられています。身の回りの草花や生きもの、暮らしの中で出会う科学など、お子さんの興味を広げるきっかけになる本が幅広く掲載されていますので、絵本を選ぶときの参考にしてみてはいかがでしょうか。
小さなお子さんには
私の周りで子育てをしている人から「子どもに絵本を読んでいるけれど、ごそごそ動いたり、自分でページをめくってしまったりして集中してくれない」という声を聞きます。お子さんが小さいほどあまり聞いていないように見えるかもしれませんが、お母さんの声はちゃんと届いています。子どもの頃に読んでもらった絵本は、思い出と一緒に心に残ります。ゆったりした気持ちのときに、読み聞かせをしてあげて下さい。
図書館は待っています!
「子どもはとにかく目が離せない。今は外出もままならないから、図書館が開いているのはとても助かるし、ありがたい」と言われたことがあります。図書館がお母さんとお子さんの居場所の1つとなっているのなら、スタッフとして大変喜ばしいことです。
新長田図書館は、毎週ボランティアの方やスタッフが読み聞かせを行っています。お子さんと一緒に聞いて楽しんで頂いても構いませんし、お子さんだけで参加して、お母さんは自分の読みたい本を探しに行く時間として使って頂いても結構です。
“小さい子どもを連れて行っても大丈夫?”“どんな本を読んであげたら良いのかな・・”と悩んでいるお父さんとお母さんには、小さいお子さんから参加できるおはなし会もありますので、ぜひご来館下さい。お待ちしています。
※おはなし会の日時など、詳しくは図書館までお問い合わせ下さい。
神戸市立新長田図書館
- 開館時間:火~土 10:00~20:00、 日・祝 10:00~18:00
- 所在地:長田区細田町7-1-27 市営細田住宅2階