2023.8月号 図書館ニュース
自然災害多し!
◆親が守れるとは限らない
現在、夏休み真っ只中です。楽しい事がいっぱいでワクワクしますが、今からの季節は台風シーズンでもあります。近年は各地で線状降水帯が発生し、短時間で大雨が降る事も珍しくありません。また地震もいつどこで起こるかわかりません。子どもが遊びに出掛けていたり、親が職場にいたりした場合はすぐに安否が分からない時もあります。いつでも親がそばで守れるとは限らないのです。
今回は知っていると安心な防災知識と、日頃からできる対策について紹介したいと思います。
①助けてくれるのは、アナログなもの?
災害が起こった時のために備えておくものの中で、必須なのが現金です。大きな地震や台風に見舞われると、長時間電気が止まる可能性があります。家電製品はもちろん、お店での電子マネーやクレジットカードも使えません。現金が手元にないと、必要な物を買う事が出来なくなります。
他にも、スマートフォンやタブレット端末は視覚的な刺激が強く、ストレスを増大させかねません。情報収集は電池交換式のラジオが、ストレス緩和には複数人で出来るボードゲームやカードゲーム、特に子どもには絵本が有効です。ガソリンが手に入らず、車を動かせない事もあるので、買い出し用の自転車を一台用意しておくと安心です。
②心のケアについて
災害後のストレスは子どもの方が顕著に現れると言われています。寝られない、食べられない、遊べない、がよくあるストレスサインですが、他にも急な赤ちゃん返り、物を壊すといった暴力的な行為や言葉遣い、逆にぼんやりしていて反応がないといった症状もあります。また、遊びに見立てて地震ごっこや津波ごっこをしたりするケースもあります。大人は困惑しますが、無理に止めさせたり否定したりせず、子どもの話に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる言葉を探して寄り添うようにします。
特に避難生活では、少しの間でもプライベートな空間を確保し、緊張をほぐす事が大切です。
③子どもの防災意識を高めるには・・・
災害時はルールやマニュアルに縛られ過ぎず、自分で考えて行動しなければなりません。
~普段から出来る子どもへの防災対策~
□近くであれば、一人でお使いをさせる。
□体を縮めて頭を守る“ダンゴムシ”のポーズを覚えさせる。
□行先をLINEやメールではなく口頭で伝える。
□“防災ごっこ”や“防災ピクニック”を行い、停電や断水生活を体験する。
※災害食を実際に食べてみると、缶詰用の缶切りがなかったなど、不十分な点に気付きます。重苦しく考えず、楽しんで学ぶとスムーズに覚える事が出来ます。
◆大事なのはイメージとコミュニケーション
防災においては、リアルなイメージと家族間でのコミュニケーションが不可欠です。下の参考図書に挙げた『にげましょう』は、“○○です。にげましょう”という文言が繰り返し出てくる本で、とてもわかりやすい内容となっています。
“危険な場所には近づかない”“自分の命は自分で守る”この事を強く伝えるためにも、親子でぜひ一度話してみてはいかがでしょうか。
参考図書 ※いずれも新長田図書館所蔵
・『被災ママに学ぶ ちいさな防災のアイディア』(アベナオミ/学研プラス)
・『全災害対応! 子連れ防災Book―1223人のママパパと作りました』(NPO法人ママプラグ/祥伝社)
・『災害ストレスから子どもの心を守る本』(内海裕美/河出書房新社)
・『こどものための防災教室 身の守りかたがわかる本』(今泉マユ子/理論社)
・『にげましょう 災害でいのちをなくさないために』(河田惠昭/共同通信社)
神戸市立新長田図書館
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