125. 2025.8月号 みみより情報 図書館コラム


暑さに負けずに

暑い日が続いています。特に今年は、早々に梅雨が明けてしまい、いつも以上に長い夏にグッタリ…という方も多いのではないでしょうか。今回はそんな夏を少しでも楽しめるような絵本を紹介したいと思います。

夏本番!

子どもの頃の「夏休み」は毎日が新鮮で特別でした。『なつのいちにち』(作者 はたこうしろう 偕成社)ではそんな「なんでもないけれど特別な一日」が表現されています。虫取り網を持った少年がクワガタムシを採りに駆けていきます。かもめ飛ぶ海、青々と風に揺れる田んぼ、オニヤンマやカワセミが飛び交う川…ページをめくるたびに夏の日差しや音、匂いが感じられる一冊です。

たくさん遊んでお腹が空いたら

汗をたくさんかいてお腹が空いたら、よく冷えたすいかが食べたくなりますよね。『万次郎さんとすいか』(ぶん・本田いずみ え・北村 人 福音館書店)は楽しいすいかが出てくるお話です。夏、お百姓の万次郎さんは畑ですいかを育てています。その中でも一番大きく育ったすいかは万次郎さんでも持ち上げられないほどでした。そのとき、すいかがぽーんとはねあがり「よっしゃ!ほんならいっちょう、これからみんなのところへいってやるとするか」と転がっていきます。ごろごろ転がっていった先は川。すいかを追いかけて万次郎さんも思わず川に飛び込んでしまいます。

はっきりとした明るい色使いの絵とユーモラスなお話は読むだけで楽しい気分にさせてくれます。

夏の厄介者!でも…

おや?食べ終えたすいかの皮に飛んできたのは一匹の蚊です。『やぶかのはなし』(栗原 ぶん 長 新太 え 福音館書店)では蚊の目線になることが出来ます。人間に叩かれそうになったり、カエルやトンボに食べられそうになったりと、何度も危険な目に遭いながらも、命がけで動物の血を求める理由とは?読めばちょっとだけ、蚊の気持ちが分かるかもしれません。

夏を楽しみつくそう

夏はやっぱり自然を満喫したいですよね。『ねこのオーランドー』(キャスリーン・ヘイル 作・画/脇 明子 訳 福音館書店)に出てくるオーランドーは3匹の子猫のお父さん。飼い主のご主人から許しをもらって家族でキャンプに出かけます。テントを張り、川で魚をとったり、ハイキングに出かけたり、山登りをしたり。まるで人間さながらに、でもねこらしく家族で休暇を楽しみます。絵の端々まで描き込まれた美しい風景と生き生きとした猫たちの表情に、まるで自分までキャンプに行ったような気持ちにさせてくれる1冊です。  さて、今回は「夏」をテーマに絵本を紹介しました。皆さんはどのようにこの夏を過ごされていますか?屋内で涼しく家族で過ごせるおすすめの場所が、図書館です。図書館には子どもの本から大人の本まで揃っています。また、新長田図書館では夏休み中に様々な展示を行っています。読書感想文や調べ学習に役立つ展示から、涼しくなれるような怖い本の展示まで。4歳くらいから参加できるクイズラリーも行っていますので、ぜひご家族でお立ち寄りください。

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神戸市立新長田図書館 井原木美弥佳


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