2025.6月号 図書館コラム
雨、くもり、また雨…
ジメジメとした梅雨の季節が到来しました。晴れの日が少なく、湿度が高いと気持ちまで沈みがちになりますね。今回は雨の日が少し楽しくなる、そんな絵本を紹介します。
雨=家にいないといけない?
雨の日は外で思い切り遊ぶことは出来ませんね。しかし、絶対に家にいないといけない訳ではありません。『あめ ぽぽぽ』(作 者 東 直子 画 家 木内 達郎 くもん出版)は傘に当たる雨を“ぽぽぽ”と表現しています。そしてよく見ると、雨粒の絵1つ1つに顔が描いてあるのです。長靴にレインコート、お気に入りの傘を差せば雨でもお散歩に出掛けられます。
『ねずみくんのチョッキ』という絵本をご存知でしょうか。自分のチョッキを動物仲間に貸していく内に、どんどん伸びて着られなくなってしまうお話です。このシリーズで『あめあめ ふれふれねずみくん』(作・なかえよしを 絵・上野紀子 ポプラ社)という絵本があります。雨が降って来たので傘を差したねずみくんですが、仲間たちは“傘なんてじゃま、かっこうわるい、いらない”と言って通り過ぎていきます。しかし、最後に“傘っていいなぁ…”と皆が羨ましがる出来事が。雨でも外に行きたいという気持ちになります。
外国のおはなしから…
上記の2冊は日本の作品ですが、外国の絵本からも紹介したいと思います。『あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ』(メイ・ゲアリック 作 レナード・ワイズガード 絵 岡部うた子 訳 金の星社)はごく限られた色を使い、自然の営みを静かに見つめた作品です。ウサギやアヒルなど様々な生き物が登場しますが、蝶は結局最後まで出て来ません。“雨の日、蝶々はどこにいるのだろう?”と想像が膨らみます。
スリランカの作家が手掛けた『かさどろぼう』(シビル・ウェッタシンハ作・絵 猪熊葉子訳 徳間書店)も個性的で楽しいお話です。街で傘を買う度に何者かに盗まれてしまうキリ・ママおじさん。正体を突き止めるため、傘にある仕掛けをします。何本も盗んでいったのは誰だったのか。可愛いらしい犯人に思わず笑ってしまうことでしょう。
災害も発生します!
雨は私たちの生活になくてはならないものです。しかし、自然は優しい顔ばかりはしていません。近年、豪雨や台風など自然災害が多発しています。最後に防災に関する本を紹介します。
◇『やさしく わかる ぼうさい・ぼうはんの えほん たいふう どうするの?』(絵/せべまさゆき 監修/国崎信江 金の星社)
◇『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうさい』(監修 山村武彦 学研プラス)
この2冊はイラストを多く使い、小さなお子様でもわかりやすい内容になっています。災害発生時は大人が傍にいるとは限りません。自分で自分の身を守れるよう、親子で話しながら意識を高めることが大切です。
今回は雨をテーマに本を紹介しました。「この本、気になるな」と思ったら、ぜひ図書館に足を運んでみて下さい。図書館へ来るのにはっきりとした目的はなくとも良いのです。色々な本、絵本を手に取っていく内に必ず好きな1冊に出会えます。スタッフ一同お待ちしています。
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神戸市立新長田図書館 末益奈津子

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