106. 2024.2月号 図書館ニュース


子どもと留守番
 皆さんのお宅でお子さんが留守番をする事はありますか?昨今では物騒なニュースが相次ぎ、子どもをどのようにして留守番させればいいか悩むことも多いのではないでしょうか。私自身、幼少期に留守番をする事が多かったのですが、その当時と現在とでは社会情勢や防犯意識も異なっています。

(1)何歳から留守番させる?
 子どもを留守番させようと思ったときに、「何歳から留守番させていいのだろうか?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。『大切な子どもの守り方(舟生 岳夫著 総合法令出版)』では、子どもに留守番をさせるのに何歳からならよいという基準はないとしています。年齢ではなく、子どもの経験と「対応能力」を見極め、決めるのが良いそうです。上に兄弟姉妹がいて一緒に留守番したことがある子と、一人っ子で全く留守番経験がない子では同じ年齢でも後者の方が留守番を不安がるでしょう。
大事なのは、留守番をさせる前にきちんとルールを決め、何かあった時に迷わないようにしておくことです。留守番のルールを決めるポイントとしては、「できるだけシンプルにすること」だそうですが、そのルールを決める際に重要になってくるのが前述の「対応能力」です。私も経験がありますが、最初から細かくルールを決めてしまうと子どもは混乱してしまいます。対応能力が不十分だと感じたら、「出来ないことは出来ない」と割り切り、「してはいけないこと」だけを約束しておきましょう。ある程度慣れてきたら、段階的にルールを増やしていっても良いそうです。

(2)留守番のルールづくり
 留守番のルールと言っても、具体的にどのようなことを決めればよいのか迷いますよね。ご家庭によって子どもにさせても良いこと、やって欲しくないことも違うかと思います。子どもと相談して納得いくルールづくりができると良いですね。ルールを考える際に役立つかもしれない本を二冊紹介します。
 『もしものための防犯ゼミナール(学研プラス)』は、犯罪に巻き込まれないために気をつけるべきことがイラストやクイズを使って子どもにもわかりやすく説明されています。危ない目に合わないためにしてはいけないこと、しなければいけないことがはっきりと区別されており、防犯対策の基本がわかる一冊です。
 また、子どもと一緒に楽しく防犯対策について勉強できるのが『じぶんをまもるちからがみにつく!ぼうはんクイズえほん(国崎信江監修 日本図書センター)』です。この本は、「クイズ」形式で身の回りの危険や対応を教えてくれます。留守番についてのクイズもあるので、ぜひお子さんと一緒に読んでみてほしいです。
 図書館にはこれらの本以外にも、参考にしていただけるような「子どもの安全」に関する本を所蔵しています。ぜひ足を運んで手に取ってみて下さい。もちろん図書館スタッフも本を探すお手伝いをさせていただきます。

(3)留守番の思い出
 幼い頃、留守番をするとちょっぴりワクワクした気持ちになりました。でも時間が経つにつれて少しずつ寂しい気持ちになってきて、誰か来たらどうしようと感じていた記憶があります。
 そんな気持ちを思い出させてくれる絵本が、『るすばん(さとう わきこ・作 福音館書店)』や『はじめてのおるすばん(しみずみちお・作、山本まつ子 絵 岩崎書店)』です。20~30年ほど前の絵本なのでご存知の方もいるかもしれません。今の時代にはそぐわないストーリーもありますが、どちらも留守番の不安や心細さがよくわかる絵本です。是非お子さんと一緒に読んでみて下さい。


神戸市立新長田図書館

堀内 望